ベトナムギター漫遊記3日目その二
2006-06-30


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文化センターはなかなか立派な建物だった。ここで今日、音楽院の生徒・先生、そして自分たちのコンサートが行われる。プログラムは次の通り。

トラン・トゥアン・アン
前奏曲ニ長調(チェロ組曲第一番より)/J.S.バッハ
Beo dat may troi/Dang Ngoc Long
さくら変奏曲/横尾幸弘

ブイ・ホング・タァチ
パッサカリア-ガヴォット-ジーグ/L.ロンカルリ

トゥラン・トゥラング・キェン
イギリス組曲/J.デュアート

ングイェン・クアング・ヴィン先生
タンゴアンスカイ/R.ディアンス
朱色の塔/I.アルベニス
ブエノスアイレスの夏/A.ピアソラ

広川憲二
サラバンデ/G.F.ヘンデル

冨山詩曜
アメージング・グレイス変奏曲/冨山詩曜

ルドルフォ・マシアーニ
ソナチネ第一楽章/F.M.トロバ
セヴィリャーナ/J.トゥリーナ
ハンスドン嬢のパフ/J.ダウランド

エルマンノ・ボッティリエーリ
コユンババ/C.ドメニコーニ
フリア・フロリダ/A.バリオス・マンゴレ
Moments live in my Memory/M.コロナ


音楽院のみんなの演奏を聞きたかったが、指がひたすら調子悪く、なんとなくぎりぎりまでギターを触っていたかったため、ずっと控え室にこもっていた。でもそこでキェンさんがアグアドの「序奏とロンド」を練習しているのを聞いたが、とてもしっかりしたテクニックだった。その彼が「イギリス組曲」をどう弾くのか。やはり聞くべきだったか。

ボッティリエーリさんがステージで演奏しているとき、控え室に戻るとマシアーニさんが、「あの女の人が何か英語で話しかけてきたんだけどわからなかった」と言って来た。その彼女。今回ベトナムで見た女性の中で一番美人だ。先ほどボッティリエーリさんとの会話を何気なく聞いていたが、彼女は「ある貴紳〓」を弾いたズング君の彼女らしい。なんと果報者なことか。学生の身でありながらIT企業に勤める、こんな美人の彼女がいるなんて。いったいどこで捕まえたのか。

というのはさておき、早速彼女に何を言ったのか聞いてみた。その質問は、演奏にマイクを使うことをどう思うか、ということだった。マシアーニさんも私も、マイクはギターの音質を変えてしまうから望ましくない、と言ったが、彼女はベトナムの現状を口にした。実際今日の演奏会にしても、前半は下の階で何か催し物をやっていて、その騒音がすごかった。しかも演奏会中扉を閉める習慣がないため、その雑音は観客に丸聞こえなのだ。できればマイクなしがいいとは言え、それでは外の雑音にかき消されて聞こえないというのなら話は別だ。私の演奏のときは、外の騒音はやんでいたが、それでも観客席からずっとさわさわという何気ない雑音が聞こえていた。

その他にも彼女とは、ギタリストの地位について話した。ベトナムも日本と同じように、プロギタリストの社会的地位は高くないようだ。でもこの先、本当にものすごく弾けるプロギタリストが出て来たら、当然その人は十分ギターだけで食っていけるだろう。中国でも世界的レベルのギタリストは手厚く扱われている。

演奏会が終わるとみんなでビアホイに。そこは音楽院の人たちお気に入りらしい。ここで、今日の楽譜が見たいというヴィン先生に対して、それをあげると約束し、二重奏の楽譜を探しているというズング君には、出版された自作の二重奏の楽譜を持って来ているから、明日会ったらあげると約束した。自分の曲がこれをきっかけに少しは広まってくれるのかどうか。もし弾いてもらえたら、それだけでもとても嬉しい。


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[ギター]

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